2010年6月30日水曜日

2010年前半のツイッター登録者、6.5割が40代以上(6月予備調査時点)

ツイッター登録者の年代別構成比を2009年以前と2010年以降で比べてみた。


2009年以前のツイッター登録者数の実に2.3倍の人が2010年になって登録している(下図グラフのn数 209→478)。帽子1個の上に2個の帽子が重なった感じ。

実数ベースで言えば下段の2010年グラフの長さは、上段の2009年以前グラフの2.3倍なので、学生や20代、30代が減っているわけではない。
(いずれの世代も2009年までの登録者に対して1.5倍以上の人が今年に登録。)

だから年代構成は変化しているものの構成比減少の方にはあまり意味はなく、今年になって登録した人の6割強(64.4%)が40代以上ということに注目しておきたい。増加度だけで言えば、60代が最も大きい。



ちなみに男性55%女性45%と、男女比率には大きな変化がない。
これだけの登録者急増が男女差に影響を与えなかったことから、ある程度安定性を持った比率と見ることができる。(もしもこの男女差に変化がある時には、ツイッターそのものに大きな質的変化が起こる時かも知れない。)

2010年6月29日火曜日

ツイッターユーザーの7割が今年になって始めた人(2010年6月時点)



現在ツイッターを登録している人の7割が今年になってツイッターを始めたという結果については、予備的な調査なのであくまでも参考値とみなしていた。(実施6月18日〜20日)

私たちの調査は、高校生から60歳以上の男女3477サンプル、ランダムにアンケートに応じた人たちで結果としてやや50代以上の割合が高くなっている。(そのうちツイッター登録者が687人)


そして、同時期(6月4日〜7日)に行われた、IMJモバイルの「ユーザー利用動向調査」でも7割の人が今年になってツイッターを始めたという結果が発表された。
IMJモバイルの調査対象者は15歳から49歳の3G端末を保有していて週1回以上Twitterを閲覧している人520サンプルで、男性および20代、30代の割合がやや高い。(P9参照)

2つの違う調査結果が同じ「ツイッターユーザーは今年になって登録した人が7割」になった。ランダムに抽出された対象者からの、登録者の内訳だということを併せほぼ正しい数字ととらえてよいだろう。

2010年6月25日金曜日

ツイッター参加者の急増続く(?)〜調査数字の読み方



この4月初めの既存調査では、昨年後半にツイッターを始めたひともかなりいて、今年始めた人の割合は約4割。(株式会社ネットマイル調べ 2010.4.2〜5)
6月に実施した私たちの予備調査では、が今年になって始めた人が7割近く占めている。正確には、登録時期が2010年1月から6月の人の割合、69.6%。(株式会社マーシュ調べ 2010.6.18〜20)
両者の割合を比較すると4月と6月の間に相当数の人がツイッターを始めたことになる。

4月までのリーチ(ネットユーザー全体における利用者率)もたしかに急増状態でだいたい直近3ヶ月間で倍増のペースだ。おそらくこのペースが落ちずに続いているのだろう。

ネットレイティングス株式会社提供:ニールセン・オンライン(Nielsen Online) インターネット利用動向調査「NetView2010 3 月データ

【インターネット調査の数字を読むときの注意】
一定のモニター・サンプリングを経て行われる消費者調査、そこにインターネット利用者という条件が加わる調査ではスコアが高く出る傾向。わたしたちはそれを先行指標的な数字と読むことが多い。
(経験的目安ではインターネット調査の数字は実情±10〜20%くらい)

様相を冷静に見るためにランダムサンプリングでなく、日本の性・年代区分人口比に応じた割り付けサンプリング(調査対象者数の配分)をすることは必要だろう。さらに統計的に見ようとすれば地域別人口割り付けをすることもある。

今後のツイッターのあり方に、長くやっている人と最近始めた人の違いが影響するならば、前者に対して有効に分析するためのサンプル数を確保しなければならないかも知れない

2010年6月24日木曜日

マーケティング裏話〜ホンダ青山マンション?

このブログはツイッターの補足ではじめたのだが、今思うことを語るツイッターに対して補足となると多少整理をしたくなってくる。書く作業もちょっと重いかな?そんなことを考えてたら、一度読んでくれた人がブログではもっと軽いマーケティングの裏話みたいなもの、自分自身の話とかそんなものを知りたいという感想をくれた。

ツイッターの補足ストックでじゃなく長い版ツイッターになりますね、と素直に試してみることにして第1回。第1回ならば古い話ながらやっぱりこれにしたい、私の思うマーケティング、仕事のしかたの出発点かも知れないから。

私が駆け出しの頃ホンダの本社は原宿から渋谷方向、明治通り沿いの賃貸ビルにあって、おしゃれな色のジャケットを着た本田宗一郎さんの姿も時折見かけた。1980年代初めだったから、もちろんその時には世界にホンダの名は知られていた。

「金さん、今度自社ビル建てるんですよ。」当時の主査(課長)がにこやかに言った。
「自社ビルですか。すごいですね。」
「会社が危なくなったらマンションにして売ろうと思ってるらしく、各階にはベランダがついてて、仕切りをつければすぐ2LDKの部屋がたくさんできるようにしてあるんです。」

公式発表には大地震のときに割れた窓ガラスが歩行者に落ちないよう各階にバルコニーを設置したとあった。いまだに冗談だったのか本当だったのか分からない。
当時のホンダは新商品1車種失敗すると会社が傾く、せめて1.5車種、できたら2車種の失敗でもなんとか持ちこたえられるメーカーにならなければという緊張感のなかにあったので、真に受けて聞いていた。

その新本社ビルは今も青山1丁目の角に、洗濯物も干されずに建っている。

2010年6月15日火曜日

ツイッターユーザーと企業


アメリカでの企業との関係の質問例。
結果が何を示しているかもう一つ分かりにくい。やはり一般生活者との比較がないと読みにくい。

ツイッターと企業の関係(米調査)

企業や製品に対する推奨をする(したことがある)
企業や製品について話す(したことがある)
ブランド/企業の製品を購入する(したことがある)
企業や製品の広告にリンクする(したことがある)
企業のプロモーションやイベントに参加する(したことがある)

2010年6月14日月曜日

TwitterについてのSWOTアンケート

ツイッターユーザーに対してSWOT質問を投げかけるとすれば、質問はどうなるか?

ツイッターSWOTアンケート質問例
S  Strength 強み):
1. ツイッターのいいなと思うところ、好きなところは何でしょうか?




 Weakness 弱み):
Q2. ツイッターがつまらないな、嫌だと思うところは何でしょうか?




 Opportunity 機会):
Q3. 今後ツイッターの利用が増えるとすれば、それはどのような理由から?特にツイッター以外の理由、背景について教えてください。




T  Threats 脅威):
Q4. 逆にツイッターの利用が減るとすればどんな理由が考えられますが?特にツイッター以外の理由、背景について教えてください。




結論:
Q5. ツイッターが社会でもっと盛んになるにはどうなればよいでしょうか?ツイッターそのものについても、それ以外の変化でもかまいません。




→参照:「マーケティング分析法」 SWOT3.0〜生活者SWOTアンケー

クラウド時代のSWOT3.0〜生活者へのSWOTアンケート

調査では、回答を寄せる調査対象者のことを「被験者」と呼ぶのが正式で、これは統計調査からきた言葉だろう。消費者実態を調べる目的ならば調べられる人=被験者で良い。でもマーケティング調査ではこの商品をどうしたらいいのか、市場構造についてこう考えるけれど生活者の実感はどうだろう、など被験者を調べるというより調査対象者の考えを教えてもらいたい、仮説を彼らに評価してもらいたいというのが現場感覚だ。

だから「被験者」というよりプランニング・プロセスにおける「協力者」、できたら知恵を借りたい「頭脳提供者」とみる思いが強い。(こちらは困っているから)

SWOTを一般社員に対して行えたように、生活者にSWOTをやってもらうことができる。
その場合社員のように問題認識をもっているわけではない方もいるし、比較的プランニングの初期段階の情報探索の位置づけのことが多いのでTOWS(問題認識から)ではなく、SWOT的に。ユーザーであれば支持理由(S 強み)に相当する質問から入ることが多い。

商品の場合のSWOTアンケート質問例
S  Strength 強み):
1. この商品の好きなところは何でしょうか?




 Weakness 弱み):
Q2. この商品の気になるところは何でしょうか?




 Opportunity 機会):
Q3. あなたがもっとこの商品を買うことがあるとすれば、それはどのような理由から?




T  Threats 脅威):
Q4. 逆にこの商品を買わない、止める場合はどのようなケースが考えられますが?




結論:
Q5. この商品の改良点があれば教えてください。


このような「被験者」発想でない調査は統計調査的な視点からは生まれ難い。
社員と同様、ここでも生活者の「頭脳」を一つのテーマについて借りたわけだ。

「社員SWOT調査」「生活者・消費者SWOT調査」ともに部分的には、同様の質問が投げかけられることもあると思う。しかしSWOTの流れに乗って結論に至るまで考えを聞くという発想はこれまでなかったのではなかろうか? 
SWOT=マネジメントクラスの道具であるアメリカでは生まれにくいし日本でも寡聞にして他社の事例を知らないので、一応世界初ということにしている。
もちろんクラウドから生まれたのではなく、はるか以前からSWOT質問として調査に取り込んでいる。

クラウド時代のSWOT3.0〜社員SWOTアンケート

クラウド・コンピューティングは頭脳がクラウド(雲)のなかにあって、こちらはそれを拝借し楽しむ、ネットワーク・コンピューティングはそれぞれの頭脳が相互に働き合うととらえていいのだろうか。「世界にコンピュータは、5台あれば事足りる」らしいからクラウド・コンピューティングはもっと壮大な世界なのだろうが、取りあえず「頭脳を借りること」と解釈してみよう。

SWOTは厳密にやろうとすればそれほどやさしい分析法でなく、どちらかというと熟達者のものだということは既に触れた。それは、SWOTの枠外の知識や経験から来る見識がからむことと、特に結論(ソリューション)には飛躍的な発想が求められるからだ。

ある企業の事業方向性検討のプロジェクトがあって、SWOTがふさわしいのではということになった。厳密なSWOT分析の難しさに加えて、幹部各者の見解をいれながらとなると難易度はさらに高まる。合宿で行う企業もあるようだ。

そこで自分たちでSWOTをやるのではなく、社員にSWOTアンケートをしてみたらどうか、と提案した。
SWOTMBAの基本ツールの一つでもあるので、ヒエラルキーの強い米企業では一般社員に事業方向性を聞くということは考えられない。SWOTはマネジメントクラスのするもの。
カイゼンが全社運動となったように日本企業の特質かも知れない、実際に店頭に立っている社員がSWOTなどできるわけがないといった懸念も出たが、やってみたところ十分手応えのある回答が返ってきた。

社員アンケート質問は、素直にTOWSで行われた。
T  Threats 脅威):
Q1. 会社のこれから、最も脅威となる時代変化や環境変化は何だと思いますか?


 Opportunity 機会):
Q2. 逆に、会社にとってチャンスと思う時代変化や環境変化は何だと思いますか?


 Weakness 弱み):
Q3. そうしたときの現在の会社の弱みや問題点は何でしょうか?



S  Strength 強み):
Q4. 会社が発揮できる強み、特長は何でしょうか?


結論:
Q5.では会社はどのような方向を目指すべきでしょうか?具体的なアイデアも含めて教えて下さい。


SWOTは一般的に直観に頼ってはならず、あくまでも情報を集めさまざまな角度から分析し、論理的組立てをすべきとされる。だが人間の頭脳というのはあなどれない。おそらく単純な質問に悩みながらも直観で回答していくのだろうが、そのなかに分析、推論、飛躍という本来のSWOTが求めるものは十分に織り込まれている。

プロジェクトは集まったアンケート回答を整理し、再分析する。もちろん集めて結果こうでしたではない。情報を眺めながら再SWOTを行い、社員が気がつかなかった結論(ソリューション)を出す。これが本来のマネジメントの仕事だと思う。

つまり「社員の頭脳」を一つのテーマについて借りたわけで、それをもってクラウド時代のSWOTは言い過ぎだろうが、これからのSWOTのやり方の一つではないかと思っている。
モチベーションを高めることにも役立つし、1,2年に1回こういうアンケートを実施して全社の知恵を借り、企業の方向性見直しをしてみてはどうだろうか。

2010年6月10日木曜日

(2)T→O→W→S 例 〜iPadを買いたいけど

SWOTとTOWSのブログをあげた日に、iPad買いたいけどどうしたらいい?という質問に、SWOTで答えてくれた人がいた。
自分に考えやすい流れで、ここでは W→S→O→T となっている。
検討時は、抽出情報が際限なく広がるSやOから入らなければ、後はその時その時の筋道でいいのかもと学びました。

いずれにしろSWOT順にこだわらないSWOT ANALYSIS、考える筋道のT→O→W→S例として。SWOTに備わる論理構成力も示していただきました。感謝しつつ引用掲示です。

…‥‥

お題:仮説的結論
「iPad買いたいけどどうしたらいいの?」
ソフトバンク3G契約と仮定して

W ( Weakness 弱み
まず、simフリー版が遅くとも来年春までには出そうだということと、(これは割高になる可能性あり)
ソフトバンク3Gの割引適用を受けるために2年間契約が必要(割安ですが)


S ( Strength 強み)
ソフトバンク3G回線は都市生活者なら多分つながり方など問題ありません
値段も、もし3Gでつなぐなら他社のルーターとシムカード購入より安いです
快適でたのしい操作が可能


O ( Opportunity 機会)
(この場合どうなるかな)
Wifi接続でよければアップルストアですし、契約のしばりもないで すが、実際には、携帯無線ルーターを別売しないと楽しくないです
(携帯無線ルーター約2万(この分のみソフトバンクより割高 
+通信費1年間3万円(この部分はSBと同額)


T ( Threats 脅威
バージョンアップしそう(秋から春予想)という噂があります。




結論
ソフトバンク3G回線つき、32Gモデル(16G ではけっこうすぐいっぱいになります)がよろしいかと。

秋から春までまぁまつか、という手もあります。


…‥
by @ayumuotsukiさん

2010年6月9日水曜日

SWOT分析(2) S→W→O→T と T→O→W→S

SWOTでツイッターを検索してみると、今TLに流れている画面には4時間で約20ツイート。この方法が世界中でもっとも知られた分析法であることが分かる。当然それなりの理由があり、それは「自社の強みと弱みを見つめ、社会や市場そして競合などまわりの変化の機会と脅威に照らしつつこれからの事業の方向性を定めていく」というスキのない文脈そのものにあらわれている。

また、例えば3C分析(企業Corporate、競合Competitor、消費者Consumer)に比べればSWOTはしっかりと未来をどう読むかという構造になっている。

SWOT分析はマトリクスであらわされるので、SWOTのどこから埋めていってもいいが、
型どおりSWOTの順番にされる方が多いのではないだろうか。
強みや機会の方が考えやすく、それこそポジティブな気持になれる。

しかし実際のSWOT分析の必要な場面は、何か困り事があり打開や解決アイデアを求めて行われることが多い。我が社もTwitterマーケティングを考えよう、などと言うとき、はSWOTの出番はあまりないように思う。
つまり、弱みや脅威がある程度露呈していてなかなか反射神経的な対処では解決できない、じゃあ腰を据えてSWOTをやってみようという気になる。

そのときの順番はT→O→W→Sがより自然だ。
外の脅威を打ち消す機会は見つからないか、弱みは何か、それを克服する強みはないのかと悩みの筋道に沿っている。

SWOTは挙げやすいが、例えば強みと弱みの関係の希薄なところが気になる。
T→O→W→Sは挙げにくいが、解決策発見の筋道が見つかりやすい。
最初は軽くSWOTで関係ありそうな項目を挙げるだけ挙げて、T→O→W→Sの順番で精査していくというのが良いのかも知れない。
(強みをより強化する機会、強みが発揮できる機会などの組み合わせ分析がTOWS分析と名付けられていて考え方は似たところにある。)

SWOTの難しさのもう一つは、求められた解に対して自己検証が難しいこと。
検証筋道はややT→O→W→Sの方が向いてはいるものの、それとて各要素の不足感につねにさらされる。

発表を受ける役員や上司は、前向きの報告を喜ぶ人もいるのでSWOTに戻して報告する方がいいだろう。仮に課題を重視する役員がいても、そういう方は課題認識についてはめっぽううるさいので、T→O→W→Sでは最初の“T”から、一歩も前に進まないという怖い事態も予測される。