2010年6月24日木曜日

マーケティング裏話〜ホンダ青山マンション?

このブログはツイッターの補足ではじめたのだが、今思うことを語るツイッターに対して補足となると多少整理をしたくなってくる。書く作業もちょっと重いかな?そんなことを考えてたら、一度読んでくれた人がブログではもっと軽いマーケティングの裏話みたいなもの、自分自身の話とかそんなものを知りたいという感想をくれた。

ツイッターの補足ストックでじゃなく長い版ツイッターになりますね、と素直に試してみることにして第1回。第1回ならば古い話ながらやっぱりこれにしたい、私の思うマーケティング、仕事のしかたの出発点かも知れないから。

私が駆け出しの頃ホンダの本社は原宿から渋谷方向、明治通り沿いの賃貸ビルにあって、おしゃれな色のジャケットを着た本田宗一郎さんの姿も時折見かけた。1980年代初めだったから、もちろんその時には世界にホンダの名は知られていた。

「金さん、今度自社ビル建てるんですよ。」当時の主査(課長)がにこやかに言った。
「自社ビルですか。すごいですね。」
「会社が危なくなったらマンションにして売ろうと思ってるらしく、各階にはベランダがついてて、仕切りをつければすぐ2LDKの部屋がたくさんできるようにしてあるんです。」

公式発表には大地震のときに割れた窓ガラスが歩行者に落ちないよう各階にバルコニーを設置したとあった。いまだに冗談だったのか本当だったのか分からない。
当時のホンダは新商品1車種失敗すると会社が傾く、せめて1.5車種、できたら2車種の失敗でもなんとか持ちこたえられるメーカーにならなければという緊張感のなかにあったので、真に受けて聞いていた。

その新本社ビルは今も青山1丁目の角に、洗濯物も干されずに建っている。