2010年6月9日水曜日

SWOT分析(2) S→W→O→T と T→O→W→S

SWOTでツイッターを検索してみると、今TLに流れている画面には4時間で約20ツイート。この方法が世界中でもっとも知られた分析法であることが分かる。当然それなりの理由があり、それは「自社の強みと弱みを見つめ、社会や市場そして競合などまわりの変化の機会と脅威に照らしつつこれからの事業の方向性を定めていく」というスキのない文脈そのものにあらわれている。

また、例えば3C分析(企業Corporate、競合Competitor、消費者Consumer)に比べればSWOTはしっかりと未来をどう読むかという構造になっている。

SWOT分析はマトリクスであらわされるので、SWOTのどこから埋めていってもいいが、
型どおりSWOTの順番にされる方が多いのではないだろうか。
強みや機会の方が考えやすく、それこそポジティブな気持になれる。

しかし実際のSWOT分析の必要な場面は、何か困り事があり打開や解決アイデアを求めて行われることが多い。我が社もTwitterマーケティングを考えよう、などと言うとき、はSWOTの出番はあまりないように思う。
つまり、弱みや脅威がある程度露呈していてなかなか反射神経的な対処では解決できない、じゃあ腰を据えてSWOTをやってみようという気になる。

そのときの順番はT→O→W→Sがより自然だ。
外の脅威を打ち消す機会は見つからないか、弱みは何か、それを克服する強みはないのかと悩みの筋道に沿っている。

SWOTは挙げやすいが、例えば強みと弱みの関係の希薄なところが気になる。
T→O→W→Sは挙げにくいが、解決策発見の筋道が見つかりやすい。
最初は軽くSWOTで関係ありそうな項目を挙げるだけ挙げて、T→O→W→Sの順番で精査していくというのが良いのかも知れない。
(強みをより強化する機会、強みが発揮できる機会などの組み合わせ分析がTOWS分析と名付けられていて考え方は似たところにある。)

SWOTの難しさのもう一つは、求められた解に対して自己検証が難しいこと。
検証筋道はややT→O→W→Sの方が向いてはいるものの、それとて各要素の不足感につねにさらされる。

発表を受ける役員や上司は、前向きの報告を喜ぶ人もいるのでSWOTに戻して報告する方がいいだろう。仮に課題を重視する役員がいても、そういう方は課題認識についてはめっぽううるさいので、T→O→W→Sでは最初の“T”から、一歩も前に進まないという怖い事態も予測される。