調査では、回答を寄せる調査対象者のことを「被験者」と呼ぶのが正式で、これは統計調査からきた言葉だろう。消費者実態を調べる目的ならば調べられる人=被験者で良い。でもマーケティング調査ではこの商品をどうしたらいいのか、市場構造についてこう考えるけれど生活者の実感はどうだろう、など被験者を調べるというより調査対象者の考えを教えてもらいたい、仮説を彼らに評価してもらいたいというのが現場感覚だ。
だから「被験者」というよりプランニング・プロセスにおける「協力者」、できたら知恵を借りたい「頭脳提供者」とみる思いが強い。(こちらは困っているから)
SWOTを一般社員に対して行えたように、生活者にSWOTをやってもらうことができる。
その場合社員のように問題認識をもっているわけではない方もいるし、比較的プランニングの初期段階の情報探索の位置づけのことが多いのでT→O→W→S(問題認識から)ではなく、S→W→O→T的に。ユーザーであれば支持理由(S 強み)に相当する質問から入ることが多い。
商品の場合のSWOTアンケート質問例
S ( Strength 強み):
Q1. この商品の好きなところは何でしょうか?
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W ( Weakness 弱み):
Q2. この商品の気になるところは何でしょうか?
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O ( Opportunity 機会):
Q3. あなたがもっとこの商品を買うことがあるとすれば、それはどのような理由から?
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T ( Threats 脅威):
Q4. 逆にこの商品を買わない、止める場合はどのようなケースが考えられますが?
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結論:
Q5. この商品の改良点があれば教えてください。
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社員と同様、ここでも生活者の「頭脳」を一つのテーマについて借りたわけだ。
「社員SWOT調査」「生活者・消費者SWOT調査」ともに部分的には、同様の質問が投げかけられることもあると思う。しかしSWOTの流れに乗って結論に至るまで考えを聞くという発想はこれまでなかったのではなかろうか?
SWOT=マネジメントクラスの道具であるアメリカでは生まれにくいし日本でも寡聞にして他社の事例を知らないので、一応世界初ということにしている。
もちろんクラウドから生まれたのではなく、はるか以前からSWOT質問として調査に取り込んでいる。
SWOT=マネジメントクラスの道具であるアメリカでは生まれにくいし日本でも寡聞にして他社の事例を知らないので、一応世界初ということにしている。
もちろんクラウドから生まれたのではなく、はるか以前からSWOT質問として調査に取り込んでいる。